【アルバイトからみた「働きたい業種」「応募時に重視すること」】
採用コンサルティング会社の株式会社ツナグ・ソリューションズが実施した「アルバイト人気ブランドランキング2013年版」(過去3年以内にアルバイト・パート経験のある15~59歳の男女5,483人が調査対象)の結果が発表されました。
この調査によれば「働いてみたい業種」の上位は、下記の結果となりました。
(1)小売
(2)アパレル
(3)アミューズメント
(4)カフェ
(5)スーパーマーケット
(6)ファストフード
(7)ファミリーレストラン
また、「働いてみたいブランド」としては、東京ディズニーランド、無印良品、イオン、TSUTAYA、セブン-イレブン、ローソン、スターバックスコーヒー等が挙がっており、普段の生活で身近にあり、自ら好んで利用しているブランドがアルバイト先としても人気が高いようです。
アルバイトに応募する際に重視する項目として、上位から(1)「距離が近い」(女性でも1位)、(2)「シフトが都合に合う」(男性では1位)、(3)「仕事内容が魅力的」、(4)「給与が高い」、(5)「長期間にわたって働ける」、(6)「短時間で働ける」と続きました。
「給与」や「仕事内容」だけが重視されているわけではないようです。
採用面接時の企業(面接担当者)に対する悪印象として、「担当者が遅刻した」、「担当者が不在だった」、「担当者の態度が横柄だった」、「バックルームが汚かった」、「店長の無駄話が長かった」等が挙げられています。
仮にこのような印象を持った人がアルバイトとして入社できなかった場合(入社を希望しなかった場合もあり)であっても、その後も「会社のお客さん」としての立場が続く可能性が高いわけです。
ですから、アルバイトの面接だからといって決して気を抜いてはならず、「会社や社員が応募者に見られている」という意識を持って真剣に面接に臨まなければなりません。
【2013年度の新入社員の意識の変化について】
日本生産性本部が入社半年後の新入社員を対象に実施した「2013 秋・若者意識アンケート」の調査結果が発表されました。
この調査は今回が23回目となりますが、新入社員の意識にいくつか変化が見られたようです。
キャリアについて「1つの仕事や持ち場を長い間経験させて、スペシャリスト(専門家)としてきたえる職場」と「いろいろな仕事や持ち場を経験させて、ジェネラリスト(会社全般の仕事が見渡せるような人)としてきたえる職場」のどちらを希望するかという説問に対し、「スペシャリストとしてきたえる職場」と回答した割合は48.8%でした。
割合としては、「ジェネラリストとしてきたえる職場」のほうが若干上回っていますが、今春に実施された前回調査と比較すると、「スペシャリストとしてきたえる職場」のほうが7.2ポイントの上昇を見せており、これは過去最高の変化幅だったようです。
次に、「自分のキャリアプランに反する仕事を我慢して続けるのは無意味だ」という設問に対し、「そう思う」と回答した割合が42.4%(昨年比15.9 ポイント上昇)で、調査を開始した2006年以来過去最高の変化幅となりました。
また、「条件の良い会社があれば、さっさと移るほうが得だ」という設問に対し、「そう思う」と回答した割合が41.4%(昨年比5.2 ポイント上昇)となりました。
さらに、転職について「あなたは1つの会社に、最低でもどのくらい勤めるべきだと思いますか?」との設問に対しては、「1年」および「2~3年」とする回答が2011年以来上昇し続け、過去最高の44.5%となったことがわかりました。
「上司から、会社のためにはなるが自分の良心に反する手段で仕事を進めるように指示されました。この時あなたは…」と自分の考えを問う設問に対し、「指示に従わない」と回答した割合が16.4%(昨年比6.9 ポイントの上昇)で、こちらも2006年の調査開始以来最高の変化幅だったようです。
【非ブラック企業!?「若者応援企業」って何?】
いわゆる「ブラック企業」が話題となっていますが、厚生労働省の審査を受けて「非ブラック企業」のお墨付きをもらい、学生らにアピールする企業が増えているようです。
同省は今年4月、若者を積極的に雇用・育成する企業を認定する「若者応援企業宣言事業」をスタートさせましたが、今年10月末時点でこの宣言をした企業は4,375社に上っているそうです。
「若者応援企業」とは、一定の労務管理体制が整備されており、若者のための求人を提出し、若者(35歳未満)の採用・育成に積極的であり、通常の求人情報よりも詳細な企業情報・採用情報を積極的に公表する中小・中堅企業のことをいいます。
「若者応援企業」と名乗るためには、以下の基準をすべて満たしている必要があります。
(1)学卒求人など、若者対象のいわゆる「正社員求人」をハローワークに提出すること
(2)「若者応援企業宣言」の事業目的に賛同していること
(3)過去3年度分の新卒者の採用実績および定着状況などの就職関連情報を開示していること
(4)労働関係法令違反を行っていないこと
(5)事業主都合による解雇または退職勧奨を行っていないこと
(6)新規学卒者の採用内定取消を行っていないこと
(7)都道府県労働局・ハローワークで取り扱っている助成金の不支給措置を受けていないこと
「若者応援企業」を名乗ることで、企業にとって以下のようなメリットがあります。
(1)ハローワークに提出される通常の求人情報に比べて、より詳細な企業情報・採用情報を公表できるため、会社の職場環境・雰囲気・業務内容がイメージしやすくなり、より適した人材の応募が見込まれ、採用後の職場定着が期待できる。
(2)都道府県労働局のホームページで、就職関連情報も含めたPRシートを公表するため、会社の魅力を広くアピールできる。
(3)就職面接会などの開催について積極的に案内するため、若年求職者と接する機会が増え、より適した人材の採用が期待できる。
(4)「若者応援企業」の名称を使用し、若者の育成・採用に積極的であることを対外的にアピールすることができる。
【平成27年度就活解禁! 今年の動向は?】
12月1日、いよいよ平成27年春に卒業予定学生の就職・採用活動が解禁になりました。
現在、中堅・中小企業の採用のスタンダードとなりつつある『リクナビ』の掲載状況を見ると、掲載社数は12月1日時点で前年比26%増の9,237社。
特に中堅・中小企業の掲載数の増加が目立っており、企業の採用担当者や大学のキャリアセンターなどの多くは「企業の採用意欲が高まっている」と見ているようです。
なお、今の大学2年生(平成28年春卒業)の代からは、就職・採用活動の解禁は3年生の3月となることとなっており、面接などの選考開始は現在の「4年生の4月」から「4年生の8月」に後ろ倒しされる予定です。
しかし、これは決して、「企業の採用基準が緩和される」ということではありません。
「採用計画数を下回ったとしても、採用基準は下げず、基準を満たした学生しか選ばない」という採用担当者の声も多く、やはり「狭き門」であることには違いありません。
また、最近の流れとして、「新卒でも即戦力を!」という意思表示を明確にする企業が増えていますが、今年もその流れは変わっていません。
そうした流れを受けて、正規授業で、電話の取次ぎやアポイントの入れ方、商談の進め方といった営業のノウハウを教える(単位を与える)大学も増えています。
このあたりの能力を備えているかどうかが大きな判断材料の1つとなることが想定されています。