バブル世代のキャリア研修がこれからの企業経営のカギ!?
◆バブル世代の活性化!
1990年前後の好況期に社会人となったバブル世代(現在の40代~50代)の活性化をこれからの経営課題と捉える企業が増えているようです。
その理由は、次のようなことにあるようです。
・大量採用しているので管理職になれない社員が多数発生する
・昇給が頭打ちとなっている
・これらにより、社員のモチベーション維持が難しい
◆キャリア研修でモチベーションアップ
バブル世代の今後は決して甘くないと言える中で、「早めに社員の意識を変えさせないと今後の企業経営に大きな負担となりかねない」との懸念が経営者にはあるようです。
高年齢者雇用安定法により、60歳以降の継続雇用が企業に義務付けられているということもあり、60歳以降もいい働きをしてもらうために、バブル世代を対象とした「キャリアプラン」「キャリアデザイン」研修に積極的に取り組む企業もあるそうです。
◆研修の特徴・内容は?
研修の特徴は、「40代以降の者を対象に開催」、「教えるというよりも受講者自身の気付きを促す内容」、「セカンドライフ設計に重点を置いたものから仕事に関する内容への拡充」、「事前に直属上司と相談したうえで50歳以降のキャリアプランを立てる」といったもののようです。
また、「環境の変化を受け入れ今後の自分の働く目的やすべきことを主体的に考えるようになること」、「自分自身の経験・スキル・ノウハウを肯定的に再評価しそれらを後進に伝えていくこと」、「就職後のキャリアを振り返り残りの会社員人生で成し遂げたい新たな目標を設定すること」を主な内容とし、スキル・ノウハウを身に付ける研修というよりも、働く意義や喜びを再認識するというような内容が多いようです。
ただ、それ以前に、社員自身が会社で長く気持ち良く働くためには、「会社が求めている仕事は何かを考える」、「過去の成功を鼻にかけない」、「出世や昇給をもとめる意識を捨てる」などを心がけることが必要となるようです。
ノーベル物理学賞で関心増!
改めて確認しておきたい「職務発明」
◆職務発明の対価に改めてスポットが
3人の日本人が受賞したことで話題になった、本年のノーベル物理学賞。この話題に関連して、マスコミ報道等では、受賞者の1人である中村修二氏の「青色発光ダイオード事件」を引き合いに、「職務発明」と「その対価(職務発明を行った従業員等に支払われるべき報酬)」に改めてスポットが当てられています。
◆「職務発明」と「その対価」とは?
職務発明とは、会社の従業員等が職務上行った発明のことであり、発明は従業員等に帰属します。
ただし、会社は、職務発明を発明者である従業員等から承継することをあらかじめ社内規程等で定めておき、発明の価値に見合った「相当の対価」を支払うことにより、特許を取得する権利を承継することができます。
この「相当の対価」をめぐっては、現在、社内規程が不合理と認められる場合にのみ、裁判所が対価を算出することとされています。会社にとっては、相当と思われる対価を支払っていても従業員等から訴訟を提起されるリスクがあるということです。
このようなリスクを減らすために、特許庁では、特許の権利を会社帰属とする改正法案を来年の通常国会に提出する方針を固めました。なお、その代わりに、適正な報酬の支払いが義務付けられることとなる見込みです。
◆中小企業こそ他人事ではない
特許・発明というと、大企業の話…と受け止める向きもありますが、特許出願は中小企業こそ、時として生命線となることもあり得るものです。
同じ業界の大手企業とまともに勝負をしては太刀打ちできなくても、ニッチな部分で多数の特許を取得しており、互角に戦える力を持っている中小企業はたくさんあります。
中小企業こそ、手抜かりなく、早め早めの手続きをすることが求められます。なお、特許庁では、中小企業の特許出願手続をサポートする制度も用意しています。
特許を取るべき職務発明がなされた場合に、従業員との間でその対価についてもめることのないよう、この機会に改めて「職務発明」について確認しておきましょう。
「マイナンバー制度」に関する企業の対応状況は?
◆約7割の企業がまだ準備を始めていない!
株式会社アイ・キューが運営する人事ポータルサイト「日本の人事部」では、全国のビジネスパーソンに対して「マイナンバー制度」に関するアンケート調査を実施しました。
「マイナンバー制度への対応状況」について聞いたところ、「まだ準備を始めていない」という回答(69.6%)が圧倒的に多く、「自社内での対応を検討している」(14.4%)、「すでに準備を始めている」(5.6%)、「アウトソーシングでの対応を検討している」(2.4%)など、何らかの動きを見せている企業が非常に少ないことがわかりました。
中には「特に準備をする予定はない」(8.0%)と回答する企業もあったようです。
◆マイナンバー制度とは?
「マイナンバー制度」は、日本国民と日本に居住する外国人1人ひとりに番号を割り振り、所得や納税実績、社会保障に関する個人情報を一括管理する制度で、2016年1月から利用がスタートします。
これまで国や市町村などがバラバラに管理してきた個人情報を連携させ、相互利用を可能にすることで、国民の利便性を高めると同時に行政の透明化・効率化を図ることが同制度の目的です。
民間企業でも、社会保障・税務関連の諸手続きにマイナンバーを利用することになりますが、システム変更および厳格な情報管理体制の構築が必須となります。
◆「番号収集」と「情報漏えい」を懸念
アンケートで「マイナンバー制度に対応するうえでの課題」について聞いたところ、「従業員からのマイナンバーの収集」(28.0%)が最も多く、「個人情報の管理体制の強化」(26.8)が続きました。
情報管理の煩雑さと情報漏えいのリスクを懸念する企業が多いようで、「漏えいした場合の影響は従来の人事・給与データ以上のものになる」、「基幹系システムに与える影響は大きくコストもかかりそう」などの声が聞かれました。
また、「マイナンバー制度による影響・効果」について聞いても、「情報の一元管理による利便性の向上」(8.0%)、「各種事務処理の効率化、省力化」(5.3%)など、その効果を期待する声もあったようですが、「情報漏えいのリスクの発生」(38.7%)との回答が最も多く、不安の方が大きいことがわかりました。
制度の内容についてはもちろんのこと、導入による効果やメリットを企業側でもしっかりと認識し、2016年1月のスタートに向けて準備を進めていく必要がありそうです。
「内定辞退」とならないために必要な内定者へのフォロー
◆内定を出して終わりではない
人手不足、採用活動の早期化が進んでいる中で必要となってくるのが「内定者フォロー」です。採用内定を出したらそれで終わりではありません。
内定から入社までの期間は、学生にとっては気持ちが不安定な状態であり、内定を複数の会社から得ている場合、会社を絞り込んでいく期間となります。
内定辞退とならないために、企業はこの期間に何をすればいいのでしょうか。
◆内定者の不安感を払拭する
学生に内定を出した後、入社直前までそのまま放っておくという企業は意外に多いようです。それでは内定者は「本当に内定したのか?」「期待されていないのでは?」など、不安に駆られ、他企業への就職活動を再開してしまうということになりかねません。
内定者の不安感を払しょくし、適切にフォローしていく必要があります。
◆イメージギャップの穴埋め
新卒者の約3割が、入社後3年以内に辞めてしまうと言われています。思い描いていたイメージと現実とのギャップが大きいということも理由の1つとなっているようです。
入社後のミスマッチをいかに少なくするか、入社後スムーズに順応できるよう検討し、適切な対応を行っていくことが大切です。
◆具体的な対策は?
対策として、以下のようなものが考えられます。自社の規模や風土、予算などに合ったものを取り入れ、実践してみてはいかがでしょうか?
職場や工場の見学会、職場での事前実習・研修、内定者同士の交流・グループワーク、社内行事への招待、社内報の送付、経営者・役員との懇談会、通信教育やWEBを使った入社前研修、レポートの提出、資格取得支援、近況報告の義務付け 等 |
最近では、採用理由について文書で説明する企業も増えているそうです。「なぜ、あなたを採用したのか」という個々へのフォローが重要となってきているようです。