ご存じですか? 「シャドーIT」による情報トラブル発生リスク
◆「シャドーIT」とは?
便利なITツールが次々に登場する中、会社が把握しないところで従業員が業務上使用することがあります。例えば、社外の人とのやり取りでグループチャットを利用する、データのやり取りにオンラインストレージサービスを利用する、業務データを個人のスマートフォンで扱う、持帰り残業のためにUSBに保存したデータを持ち帰る、等です。
こうした、社内で使用が許可されていない外部サービスや個人所有の端末を業務で無断使用することをシャドーITといい、情報流出等のおそれがあるとして問題になっています。
◆「バイトテロ問題」とは異なる対策が必要
アルバイト店員等によるSNSへの不適切投稿が「バイトテロ」問題として話題になり、今では従業員がインターネットやSNSの利用に際して不適切な行為をしないよう指導する等、対策を講じる企業が増えています。
しかし、シャドーITによるリスクは、業務効率を良くするために利便性の高いサービスを利用する等によって起こり得るため、そもそもバイトテロ問題とは本質的に異なるもので、従業員の利用を禁止する等だけでは問題を解決することはできません。
◆まずは利用状況を調査してから対策を講じる
シャドーITリスクへの対応としては、まず従業員がどんなサービスや端末を利用しているかを調査し、自社の業務に必要なITツールを洗い出すところから始めます。
そして、業務上必要と考えられるサービス等について、会社がセキュリティ上の要件をクリアしているか等を確認の上、利用を認めるサービスを特定する等して必要なIT環境を整備し、それ以外は利用させないようにします。
こうした対策は、時間もかかり費用負担も発生する可能性がありますが、利用状況を会社が把握・監視できるようにするためにも必要です。
◆働き方の多様化・生産性向上を実現するためにも対策が不可欠
働き方の多様化でオフィス以外の場所で就業したり、生産性をアップさせるためにIT化を進めたりする機会が増えています。こうした取組みは、従業員の働きやすさにもつながる一方、新たな情報トラブルにつながるリスクもはらんでいます。
「働き方改革」に取り組む際は、シャドーITリスク問題の有無にも注意が必要と言えるでしょう。
「外国人採用」に関する実態は?~エン・ジャパン調査より
◆6割の企業が外国人採用に関して前向き
エン・ジャパン株式会社は、運営する0円から使える採用支援ツール『engage(エンゲージ)』( https://en-gage.net/ )を使っている企業を対象に「外国人採用」に関するアンケートを実施し、2,263社から回答を得ました。
この調査結果では、「現在、外国人の採用を行っていますか?」の問いに対し、「採用を行っている」は29%で、「採用は行っていないが、検討している」(33%)を含めると、外国人採用に前向きな企業は62%に及びます。
また、「採用を行っている」と回答した企業に、「どの職種での採用を行っていますか?」と聞いたところ、第1位が「販売・接客等のサービス職」(26%)、第2位が「IT・Web・ゲーム・通信等の技術職」(15%)、第3位が同率で「営業職」「医療、福祉、教育等のサービス職」(いずれも11%)という結果になりました。
◆「出入国管理及び難民認定法」の認知度は6割
「2019年4月1日に『出入国管理及び難民認定法』が施行されたことは知っていますか?」の問いに対しては、「知っていた」(57%)が「知らなかった」(43%)を上回る結果になりました。
◆外国人採用を実施・検討しない理由トップ3は「教育・研修の未整備」「日本語能力への懸念」「行政手続きの煩雑さ」
「外国人採用をしておらず、検討もしていない」と回答した企業に、未実施の理由を伺ったところ、第1位は「外国人向けの教育・研修が未整備」(56%)、第2位は「日本語能力への懸念がある」(53%)、第3位は「行政手続きの煩雑さへの懸念がある」(32%)でした。外国人採用に関するコメントには、次のようなものがありました。
◆外国人採用に関するコメント
○日本語能力と日本の文化への理解があれば、採用するべきだと思います(マスコミ・広告・デザイン)。
○数か国語を話せるスタッフは重宝します(サービス)。
○多様な価値観を生み出すには大事だし、エンジニアは外国人の方が優秀(IT・通信・インターネット)。
○グループ会社では以前より外国人労働者を採用しており、特に障害になることはありません(商社)。
○配送業務のため、配達先である個人宅でのお客様対応がしっかりできるプログラムがあれば、活用し採用も検討したい(運輸・交通・物流・倉庫)。
【参考】エン・ジャパン「2,000社に聞いた「外国人採用」に関する実態調査―『engage』アンケート―」
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2019/18791.html
女性就業者の活躍と今後の課題
◆就業者数における女性の割合は年々増加
2019年6月に総務省が発表した労働力調査によると、日本における就業者数は6,747万人となり、前年同月に比べ60万人増加しました。これは、78カ月連続の増加となります。
そのうち、女性の就業者数は3,003万人と、初めて3,000万人を突破しました。前年同月に比べ53万人増え、就業者全体の伸びの9割近くを女性が占めています。
また、女性就労者は、全体の44.5%を占め、毎年増加を続けています。
◆役職・企業規模別の女性の就業状況
2018年度の雇用均等基本調査(厚労省)によると、正社員・正職員に占める女性の割合は、26.0%で、各職種の割合は、一般職が46.5%と最も高く、次いで総合職33.8%、限定総合職11.9%となっています。
女性管理職がいる企業割合は、課長相当職以上の女性管理職(役員を含む。以下同じ。)がいる企業割合は56.3%(前年比2.2%増)、係長相当職以上の女性管理職がいる企業割合は63.2%(同2.6%増)です。また、係長相当職以上の女性管理職がいる企業割合を役職別にみると、部長相当職ありの企業は10.7%(0.1%増)、課長相当職は19.0%(同1.3%増)、係長相当職は21.7%(同6.8%増)で、役員を除くすべての役職において、2009 年度以降最も高い割合となっています。
企業規模でみると、おおむね規模が大きくなるほど、各役職の女性を有する割合が高くなり、5,000 人以上規模では、部長相当職の女性管理職を有する企業が74.4%、課長相当職の女性管理職を有する企業が93.8%、1,000~4,999 人規模では、部長相当職の女性管理職を有する企業が40.2%、課長相当職の女性管理職を有する企業が76.0%と、女性が活躍する環境が整ってきていることがうかがえます。
また、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は11.8%(前年比0.3%増)で、係長相当職以上の女性管理職割合は13.5%(同0.7%増)で、それぞれの役職に占める女性の割合は、部長相当職では6.7%(同6.6%)、係長相当職では16.7%(同15.2%)と、いずれも前回調査から上昇しています。
◆今後の課題
女性の就業率が上がり、管理職に占める割合も上昇してきているとはいえ、出産や育児で休職や短時間労働が必要になる女性は多く、彼女らが昇進する際、不利になりやすい現状は依然としてあります。また、男性の育児休業取得率も一向に上がらない理由として、「職場に理解がない」を挙げる男性は多いです。
今後、男女問わず、家庭への協力、就業率(労働力)の向上を目指すには、政府の施策だけでなく、職場での意識改革が重要になってくるのではないでしょうか。
交代制勤務に従事する労働者の「睡眠」について考えてみませんか
◆ご存じですか、「交代制勤務睡眠障害」
工場や小売店、医療・介護現場等、交代制で勤務する労働者が増えています。厚生労働省によると、夜勤あるいは交代制勤務を採用する企業の割合は15~20%、深夜勤務者は全労働人口の8.6%に当たります。
こうした労働者に起こると指摘されている「交代制勤務睡眠障害」についてご存じですか?
◆交代制勤務がもたらす心身への悪影響
交代制勤務のために睡眠時間帯が頻繁に変化させられることによって種々の精神・身体機能の障害がもたらされるのが、「交代制勤務睡眠障害」です。起床後の疲労回復感が乏しく、夜間の勤務時間帯における眠気と注意集中困難および作業能力の低下がみられるほか、胃炎や胃部不快感、下痢と便秘を繰り返すといった消化器症状、倦怠感や動悸等の自律神経症状、腰痛や肩こり、月経不順、抑うつ等を訴える人もいます。
こうした睡眠障害の問題は、生産性の低下のみならず、勤務中の重大事故や過労死の要因ともなり得ます。全米睡眠財団によると、勤務時間が不規則なシフトワークに就く労働者の8~26%が、交代制勤務による深刻な睡眠障害を経験しています。こうした労働者に対し、企業が安眠対策に取り組むことは、日本においても、働き方改革の課題の1つとなっています。
◆課題解決のために企業ができること
交代制勤務による睡眠障害を改善するためには、夜勤前・夜勤中・夜勤後の眠り方を見直すことが有効です。
□夜勤前の仮眠は、昼寝がしやすい夕方前に行う
□夜勤中の仮眠は、深い睡眠が取りやすい午前4時~5時頃に2時間程度取る(十分な仮眠時間が取れない場合は、仮眠時間を30分程度にすると眠気が残りにくい)
□夜勤後の仮眠は短くすると、夜の睡眠への影響が少ない
また、シフトを見直すことも検討してみましょう。三交代勤務の場合には、日勤→準夜勤→深夜勤の順にシフトを組むと、生体リズムを同調させやすくなります。