2022年4月

新型コロナウイルス感染症における水際対策の最新情報

 

◆水際対策に係る措置について

新型コロナウイルス感染症対策において、令和2年12月から「水際対策強化に係る新たな措置」が出されています。頻繁に更新がかけられていますが、令和4年3月から緩和されていますので、最新情報をまとめます。

 

◆日本への入国の際必要なこと

(1) 検査証明書の提示

「出国前72時間以内に受けた検査の結果の証明書」の提出が必要です。

(2) 検疫所が確保する宿泊施設での待機・誓約書の提出

日本入国前に滞在した国・地域に応じて、検疫所が確保する宿泊施設で待機し、検査を受ける必要があります。また、待機期間中における公共交通機関の不使用、自宅等での待機、位置情報の保存・提示、接触確認アプリの導入等について誓約する必要があります。

(3) スマートフォンの携行、必要なアプリの登録

誓約書の誓約事項を実施するため、位置情報を提示するために必要なアプリ等を利用できるスマートフォンの所持が必要となります。

(4) 質問票の提出

待機期間中の健康フォローアップのため、検疫時にメールアドレス、電話番号等の連絡先を確認します。

(5) ワクチン接種証明書の提示

一定の条件をみたすワクチン接種証明が必要になります。

 

◆水際措置の見直し(令和4年3月1日午前0時より)

(1) 入国後の自宅等待機期間の変更等

指定国・地域からの帰国・入国の有無およびワクチン接種証明書の保持の有無、入国後の自主検査の判定結果により、入国後の自宅待機期間が原則7日間から緩和されます。

また、自宅等待機が必要な方について、一部の条件を満たせば、入国後の自宅等への移動に限り、公共交通機関の使用が可能となりました。

(2) 外国人の新規入国制限の見直し

全国・地域からの外国人の新規入国は原則一時停止されていましたが、日本所在の受入責任者が所定の申請を完了した①商用・就労目的の短期間滞在(3月以下)、②長期間滞在の外国人について、新規入国が認められるようになりました。

【厚生労働省「水際対策に係る新たな措置について」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html

 

令和4年4月からの年金制度

 

年金制度改正法(令和2年法律第40号)等の施行により、年金制度の一部が改正されます。4月からどのように変わるのか見ていきます。

 

◆繰下げ受給の上限年齢引上げ

老齢年金の繰下げ年齢の上限が75歳に引き上げられます(現在の上限は70歳)。また、65歳に達した日後に受給権を取得した場合についても、繰下げの上限が10年に引き上げられます(現在は5年)。

 

◆繰上げ受給の減額率の見直し

年金の繰上げ受給をした場合の減額率が、1月あたり0.4%に変更されます(現在は0.5%)。

 

◆在職老齢年金制度の見直し

60歳から64歳に支給される特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金制度について、支給停止とならない範囲が拡大されます(支給停止が開始される賃金と年金の合計額の基準が28万円から47万円に緩和。65歳以上の在職老齢年金と同じ基準に)。

 

◆加給年金の支給停止規定の見直し

加給年金の加算対象となる配偶者が、被保険者期間が20年(中高齢者等の特例に該当する方を含む)以上ある老齢、退職を支給事由とする年金の受給権を有する場合、その支給の有無にかかわらず加給年金が支給停止となります(経過措置あり)。

 

◆在職定時改定の導入

現在は、老齢厚生年金の受給権者が厚生年金の被保険者となった場合、65歳以降の被保険者期間は資格喪失時(退職時・70歳到達時)にのみ年金額が改定されますが、在職中の65歳以上70歳未満の老齢厚生年金受給者について、年金額が毎年1回定時に改定が行われるようになります。

 

◆国民年金手帳から基礎年金番号通知書への切替え

国民年金制度または被用者年金制度に初めて加入する方には、「基礎年金番号通知書」が発行されることになります。既に年金手帳を所持している方には「基礎年金番号通知書」は発行されません。

【日本年金機構「令和4年4月から年金制度が改正されます」】

https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2022/0228.html

 

小学校休業等対応助成金の個人申請手続が改善されました

 

◆第6波の影響で小学校休業等対応助成金が期間延長に

新型コロナウイルスの第6波の影響で、多くの小学校や保育園で臨時休校・休園が発生し、働く保護者は子どもの世話をするため仕事を休まざるを得ない状況になりました。厚生労働省は、このような保護者に対して活用できる小学校休業等対応助成金の対象となる休暇期間を6月末まで延長し、個人の申請手続を改善することを公表しました。

小学校休業等対応助成金は、小学校等の臨時休校等により仕事を休まざるを得ない保護者に対して、有給休暇を取得させた事業主に賃金が全額(緊急事態宣言まん延防止等重点措置の実施区域の場合、日額最大15,000円)支給されます。

 

◆個人申請の場合の手続きの改善

しかし、小学校休業等対応助成金は、昨年の感染拡大時には従業員が事業主に自分で助成金のことを言い出しにくかったり、労働局に直接申請をしても後日労働局から勤め先に確認し同意が得られなければ支給されなかったりしたため、活用が進みませんでした。

このような状況から、本助成金の個人申請の手続きが改善され、労働局の「小学校休業等対応助成金に関する特別相談窓口」で労働者からの相談内容に応じて、事業主に助成金活用の働きかけを行い、事業主が休業させたことの確認が得られていない場合でも、まずは申請を受け付けることになりました。

また、労働局は事業主に対して、事業主が小学校休業等対応助成金の活用に応じない場合の労働者個人による休業支援金・給付金の仕組みによる申請について、理解と協力を求めるリーフレットを公表しています。詳しくは下記のリーフレットをご確認ください。

【厚生労働省・都道府県労働局リーフレット】

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000909497.pdf

【厚生労働省「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金について」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07_00002.html

 

印紙の貼り忘れで本来の3倍の金額を支払うことに……
文書の適切な管理、できていますか?

 

◆1億5,000万円の過怠税追徴の事例

大手コンビニエンスストアが数年間の印紙税計約1億3,000万円の納付漏れを国税局に指摘されたとの報道がありました。フランチャイズチェーン加盟店と交わした取引に関する文書について、課税対象と認識せず、収入印紙を貼っていなかったとのことで、過怠税約1億5,000万円が追徴されたとみられます。

 

◆印紙税を納めなかったらどうなる!?

印紙税は、印紙税法別表第1に定められている20種類の課税文書に対し課されます。税務署の調査で印紙の貼り忘れが発覚した場合、納付しなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額、すなわち当初に納付すべき印紙税の額の3倍に相当する過怠税が徴収されることになります。

ただし、調査を受ける前に自主的に不納付を申し出たときは、過怠税は1.1倍に軽減されます。実務上は、当初から課税文書に該当しないと判断して貼っていなかったなど悪質でない場合には、調査官からこの軽減によるペナルティが提案されることもあります(上記事例はこのケースだと考えられます)。

 

◆文書の適切な管理が必要

過怠税は額も大きくなり、また、その全額が法人税の損金や所得税の必要経費には算入されないため、影響も大きいものです。

印紙漏れの対策としては、日頃から、作成する文書が課税対象となるか否か、適切に管理することが第一となります。そして、課税対象であればきちんと印紙を貼付・消印するという業務フローを徹底しましょう。判断が難しいことも多いので、わからないときには税務署に相談したり専門家のアドバイスを受けたりして、漏れのないよう対応していきましょう。